転写と転写紙について

ノリタケ 大倉陶園の食器とギフト食器の豆知識転写と転写紙について

転写と言う言葉を耳にしたことがあると思います。時にプリントと言っている方もいらっしゃいます。
侘び寂びを大事にする和食器に対し洋食器は形状も絵柄も全て同じに出来上がっていることが良い食器の条件の一つです。そして、同じ商品を大量に生産する場合、手書きでは高度の熟練と時間と手間を要するため、手書きで生産することは効率が良くなく、また合理的もでありません。
そこで、特殊なフィルムに絵柄を印刷して転写紙を作り、それを陶磁器の生地に貼り付けて焼成し顔料だけを残す転写と言う技術が応用されます。
一般的なポスターやパンフレットの印刷、また、パソコンのプリンターでの印刷は赤・青・黄色・黒の4色を巧みに重ね様々な色を表現していますが、陶磁器の場合は焼成の前後で顔料の色が変化したり、焼成中に化学変化を起こしてしまう場合があり、5色の絵柄なら5色の顔料、10色の絵柄なら10色の顔料を用いて転写紙を作ります。ですから、一言で言う赤も濃い赤や薄く淡い赤、その中間の赤と何色もの色が使われています。普通に10色や15色を用い、複雑な絵柄ですと20から25色もの色を使って転写紙を作る場合もあります。
転写紙の断面は図のように、一番下に水をよく吸う紙があり、その上に特殊な接着剤を塗って、さらにその薄い接着剤の上に絵柄を印刷してあります。印刷された絵柄(顔料)は“カバーコート”と言うフィルムで覆われ接着剤の上に被さっています。このような特殊な構造の転写紙を水に浸すと、紙と接着剤は分離され、絵柄(顔料)がついた薄いフィルムのようになります。
カバーコート
顔料1 顔料2 顔料3
接着剤
そのフィルムを水に濡れたままの状態で生地の上に貼り付け、箆を用いて生地とフィルムの間に残っている水を取り除きます。すると、絵柄は印刷されたそのままの状態で生地に写され密着した状態になります。
転写紙とは断面の構造や顔料の性質は異なりますが、プラモデルに絵柄を写すシートがありましたね、あんな感じだとイメージしてください。
ただし、一つの生地に1枚の転写紙と言う訳にはいかず、1枚のディナー皿の渕に絵付けするのであれば通常は5枚程度に分割された転写紙を用います。 この転写紙を絵柄の継ぎ目がないかのように貼り付けて絵柄の元を作っていきます。転写と言う言葉から印刷のように次から次へと効率良く出来上がっていくと想像していたかも知れませんが、かなりの部分は人の手作業に頼らなければなりません。
このフィルムを生地に貼り付け絵柄を写す工程を終えると絵柄を焼き付ける焼成の工程へ進みます。
顔料によって、目的とした色を発色する温度が異なるので、一概には申し上げられませんが、概ね800〜900℃程度の比較的低い温度で焼成されます。焼成の段階で、転写紙の表面にあったカバーコートは燃えてなくなり、残るのは絵柄(顔料)だけです。このように転写紙を用いて絵柄が焼き付けられる訳です。

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