焼き物の歴史 国内編

ノリタケ 大倉陶園の食器とギフト食器の豆知識焼き物の歴史 国内編

前回の《焼き物の種類》で縄文土器の発明で焼き物の歴史の90%は完成と記述しましたが、今回はその後の陶磁器の歴史に触れてみようと思います。まずは日本国内の歴史から申し上げましょう。
長崎県佐世保市で発見された世界で最も古い焼き物は1万年以上前の物です。その後、縄文土器から弥生式土器へと発展しますが、それらは作られた時代や文様の違いであって、技術の発達は全くありませんでした。
飛鳥時代、朝鮮半島から須恵器(すえき・b器の一種)が伝わってきた頃に《窯》も伝わってきました。その窯の使用が焼き物の歴史の中で極めて大きな技術革新です。それまでの野焼では火力も弱く、焼成温度は700℃から800℃程度であったと考えられています。しかし、窯を使用することによって1000℃以上まで焼成温度を上げることが可能になりました。伝来した須恵器の原料には長石などが多く含まれており、この長石が1100℃程度の温度でガラス状に変化します。すると、ガラス状に変化した長石は粘土の細かな粒子の隙間に入り込み焼き物を硬く強く焼き締めるのです。
700年代になると、愛知県地方で焼き物の生産が盛んになり、11世紀から12世紀にかけて、その技術は瀬戸・越前・常滑・信楽・丹波・備前などへと分散しました。それらの産地は現在も六古窯(ろっこよう)と呼ばれています。
飛鳥時代に釉薬(上薬)を使用した陶器が日本に伝えられました。しかし、その技術を用い生産されるようになったのは、鎌倉時代になってからのことです。後の16世紀頃になると岐阜県南部の地方で《志野》《織部》《黄瀬戸》といった形状も均一でなく、《侘びと寂び》の文化を感じさせる日本独自の陶器が作られ、それらが、現在の陶器の基礎になっています。 
16世紀、朝鮮出兵の際に豊臣秀吉が朝鮮半島から大勢の陶工を日本に連れてきました。彼等は唐津焼や萩焼などの焼き物をはじめ各地の焼き物の基礎を確立したのですが、中でも最も大きな足跡を残した陶工は1616年に佐賀県有田で良質の原料を発見し、初めて磁器を焼いた李参平でしょう。李参平によって、それまでの陶器とは全く異なった白磁器が日本でも焼かれるようになったのです。
それまでの経験から陶器・磁器の基本的な製造方法が確立され、その後はそれらの陶磁器に絵柄を付けることが盛んになってきました。初期に伝来した絵付の技術はコバルト顔料を用い水墨画のような絵を描いた《染付》で、後に絵具で鮮やかな模様を施す色絵付けの生産が始まりました。それは現在《古伊万里》《古九谷》と呼ばれています。その後17世紀になると、金を施した焼き物も作られるようになったのです。
また、有田の磁器は江戸時代の初めから東インド会社によって海外に輸出されました。積み出しの港の名前から海外では《伊万里》として有名です。そして、それらはマイセンなどヨーロッパの焼き物に非常に大きな影響を与えることになりました。現在、日本でも人気のパターンである《ブルーオニオン》の基になったデザインも有田の《柘榴》とか《桃》と言われています。
明治維新の後、開国によって日本に西欧文化が洪水の如く一気に流れ込んできました。それまで長崎県出島など一部を除いてほとんどの日本人にとっての食文化は当然に和食、碗と箸、お膳であった事は容易に想像できます。洋食や洋食器を見ることも考えることもなく、全く必要のなかった時代でした。
鎖国の時代が幕を閉じ海外との貿易を始めるようになると必然的に必要になってくるのが外貨です。日本が外貨を稼ぐ手段と言っても現代の自動車のように世界に通用する物は日本にほとんどなく、輸出できたものと言えば絹と真珠くらいであったそうです。明治の初め、東京で雑貨商をしていた森村市左衛門は外貨を稼ぐために、森村組(ノリタケの前身)を設立し日本の骨董や陶磁器をアメリカへ輸出しました。
それら日本の商品は欧米人の目に新鮮に映ったのか、非常に人気が高く現地では商品の入荷を待つお客様が大勢いらっしゃるという状態でした。また、特に陶磁器の人気が高いことに気が付いた森村組は瀬戸地方の陶工や、名古屋・東京などの絵付工場と契約を結び、日本製の陶磁器を輸出します。さらに、洋食器の製造・輸出を志すのですが、侘びと寂びを重んじる日本の文化と均一性を重んじている欧米文化とでは求められる食器のスタイルや製造方法も大きく異なりその製造は困難の連続でした。しかし、約20年の後、ついに求められていたディナーセットが完成します。
1914年、日本陶器合名会社(現在のノリタケカンパニー)によって日本製の最初のディナーセット(セダン)が輸出されてから約90年。原料や成型・絵付の技術も大きく進歩しました。メーカーも増え海外からの日本市場への参入もあり、選ぶ立場からは楽しみも増えています。
もっと詳しく知りたい・読んでみたい方はノリタケの歴史とオールドノリタケ オールドノリタケどうぞ。

参考文献 新焼き物読本 日本陶磁器卸商業共同組合青年部連合会
     器物語   中日新聞社発行 ノリタケ食文化研究会編

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