ボーンチャイナとは

ノリタケとボーンチャイナ ボーンチャイナの歴史・特徴について

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ノリタケ ボーンチャイナの食器
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ボーンチャイナについて
ボーンチャイナとは
ボーンチャイナ(BONECHINA)と食器などの裏に記されたものが多くありますが“ノリタケ”のようなメーカーの名前だと思った方も多いのではないでしょうか?
実はボーンチャイナとはメーカーの名前ではなく、ノリタケにも、さらにウェジウッドやスポード等多くのメーカーにボーンチャイナの磁器が存在します。
ボーンチャイナのボーン(BONE)とは“骨”を意味する英語で、ボーンチャイナ(BONECHINA)とは原料に牛のボーンアッシュ(BONE ASH=骨灰)を加えた磁器の種類を表します。原料には牛の骨灰の他、カオリン、硅石、長石、蛙目粘土などを使用し、透光性に優れ、多くは柔らかな艶が特徴です。
また、ボーンチャイナは骨灰を用い、リン酸分が多いので“骨灰磁器”また“リン酸磁器”とも言われることがあります。
ボーンチャイナと陶磁器の歴史
ノリタケを始めとして多くのメーカーにボーンチャイナの製品がありますが、ボーンチャイナは白磁器・陶器に比べ非常に新しい焼き物です。
13世紀頃、中国の陶磁器がヨーロッパに伝わり、17世紀になると長崎から東インド会社によって有田の磁器がオランダなどのヨーロッパに伝わりました。伝わった磁器は非常に高価なもので、ほんの一部の上流階級だけのものでした。しかも、ほとんどが食器としては使用されず、装飾品としてのものでした。装飾品にする程に珍重された理由の一つにヨーロッパでは白い磁器に対する憧れが非常に強かったことが挙げられます。
ヨーロッパに伝わった有田焼など東洋の陶磁器は盛んに研究され、オランダでは東洋の磁器を真似た陶器を作り、スペインではマジョリカ焼が出来あがりました。しかし、それらは陶器でありボーンチャイナでも磁器でもありません。ヨーロッパで最初に磁器が焼かれ製造に成功したのは、18世紀になってから、ドイツのマイセン地方でした。ボーンチャイナが誕生する40年程前のことです。
ボーンチャイナ碗皿
ボーンチャイナ碗皿
余談ですが、あの有名な“ブルーオニオン”のデザインも有田焼の柘榴や桃が、ヘレンドの“インドの華”など多くのデザインも有田焼の柿右衛門様式で描かれています。他にもヨーロッパの銘窯の多くに日本の文化と伝統、デザインが生きています。
ヨーロッパではそれほどまでに東洋の磁器に対する憧れが強く、珍重もされていた磁器ですが、大陸から離れたイギリスでは白磁器の主要な成分であるカオリンを入手出来なかったため白い磁器を作ることが出来ませんでした。
右上の写真はイギリス窯業界の名門ロイヤルウースターの古いカップソーサーですが、透光性がなく磁器でもボーンチャイナでもありません。また、生地に白さが感じられず現在の多くのボーンチャイナの製品の特徴である華やかな絵付けもありません。ボーンチャイナが生まれる前のイギリスにはこのような感じの焼物が多かったのかも知れません。
1748年、ボウ窯のトーマス・フライがイギリスで採れる原料の中に牛の骨の灰“ボーンアッシュ(BONE ASH)”を加えることによって良質の磁器を作ることに成功し特許を取得しました。これが、白磁器とは異なった温かみのあるクリーミーなイギリス独特のボーンチャイナの誕生です。
後に1799年にはイギリスのスポード社がボーンチャイナの製品化に成功、さらに1812年にはウェジウッドがボーンチャイナの製造に成功し1878年にはウェジウッドによるボーンチャイナの本格的な製造が始まりました。
その頃、日本では有田などの産地で磁器が生産されていましたがボーンチャイナは全く未知のものでした。
ノリタケがボーンチャイナの製造に成功する185年も前にトーマス・フライがボーンチャイナの基礎を確立しました。
〜ノリタケ(当時の日本陶器)がボーンチャイナの製造に日本で初めて成功
ノリタケ(当時の社名は日本陶器株式会社)が日本で初めてボーンチャイナの製造に成功したのは昭和8年(1933年)のことです。
ボーンチャイナのノリタケなど日本での製造はそれまで 『一般の磁器に比べ製造コストが高い』 『ボーンアッシュの製造や坏土の調合、焼成などに非常に高度な技術を必要とする』 などの問題が多かったのです。ノリタケは昭和7年(1932年)にボーンチャイナの研究に着手し、翌昭和8年(1933年)にボーンチャイナの試作品を完成させました。
ノリタケによるボーンチャイナの本格的な製造は昭和10年(1935年)2月から開始され、昭和13年(1938年)頃にはノリタケのボーンチャイナ製ティーセットなどが大量に輸出されるようになりました。
これが日本のボーンチャイナとノリタケ ボーンチャイナの始まりです。
ノリタケ ボーンチャイナ
その後、日中戦争・太平洋戦争の激化に伴って日本での一般磁器の製造は中止されましたが、ノリタケのボーンチャイナの専門工場は技術保存工場として政府指定の元、戦時中も製造が続けられました。
ボーンチャイナは現在、高級食器の素材の一つとしてノリタケの他にもナルミ(鳴海製陶)など多くの食器メーカーにより製造されています。

右上の写真は現在も作られているノリタケのボーンチャイナのカップソーサーです。クリーミーな生地は透光性に優れ、鮮やかな絵付けが施されています。
ボーンチャイナとお国の事情 ボーンチャイナか白磁器か
ボーンチャイナと白磁器、陶磁器にもそれぞれの国に歴史的背景があります。
ボーンチャイナは陶磁器を歴史的に考えるとイギリス独特の磁器です。ドーバー海峡に隔てられたフランスやドイツなどヨーロッパの大陸側ではセーブル、マイセン、ヘレンド、ロイヤルコペンハーゲン等に代表される白磁器が好まれ、ボーンチャイナを生産するメーカーはおそらく2社(2000年現在)しかありません
一方、イギリスではボーンチャイナが好まれているようでスポード、ウェジウッド、ミントン等のロイヤルドルトングループをはじめ多くのメーカーがボーンチャイナを生産しています。
しかし、ボーンチャイナと白磁器、どちらが高級とか、どちらが優れ良い磁器だといった区別や分類はありません。ちなみに、日本でもボーンチャイナが高級食器にしばしば使われますが、迎賓館では大倉陶園の白磁器が使われていますし、外務省で使われる食器もノリタケの白磁器です。
ボーンチャイナには牛の骨
ボーンチャイナの重要な原料であるボーンアッシュはなぜ牛の骨の灰でなければならないのでしょうか? 馬の骨でボーンチャイナは出来ないのでしょうか?
素朴な疑問ですが、馬の骨ではボーンチャイナの製造は出来ません、牛の骨でなければなりません。
それは骨灰の成分のリン酸カルシウム以外に含まれる成分の違いにあります。牛の骨の成分は他の動物の骨に比べリン酸カルシウムの含有量が多く、鉄分が少ないためにボーンチャイナの製造に適しているとされています。
ボーンチャイナに含まれるリン酸カルシウム(リン酸三カルシウム)の含有量は各国で規格が定められていて、イギリスでは35% 日本では30% アメリカでは25% となっています。
ボーンチャイナの特徴
ボーンチャイナの特徴 1. 生地の色と艶
ボーンチャイナはしばしば、『クリーミーなボーンチャイナ』などと評されますが、実際にはクリーミーな優しい艶のボーンチャイナの生地があったり、真っ白なボーンチャイナがあったりします。
この違いは原料のリン酸カルシウム(リン酸三カルシウム)だけではなく焼成する際の炎に含まれる酸素の量で大きく左右されクリーミーに仕上がったり、真っ白に仕上がったりします。酸素を多く含む炎を酸化炎と言いますが、酸化炎を使用し焼成するとクリーミーな優しい白に仕上がりますが、酸素の少ない炎(還元炎)で焼成すると冷たい感じの白さを持ったボーンチャイナが出来上がります。
ノリタケは市場ではクリーミーなボーンチャイナが好まれると言う調査の元で、クリーミーな食器を多く生産していますが、ノリタケには右の置物のようにかなり白いボーンチャイナの製品もあります。
ノリタケ ボーンチャイナの置物
ボーンチャイナの特徴 2. 絵付けについて
ボーンチャイナに用いる釉薬(上薬)は白磁器に用いる釉薬より融点の低いもの(フリット釉と言います)を使います。
熔けた釉薬の表面張力により、絵付けした顔料が釉薬の中に溶け込む性質(シンクイン とか イングレース と言われます)があります。これは多くの磁器の絵付けに用いられる技法の上絵付けや下絵付けと大きく異なる点です。
低い温度で焼成し、高い温度に耐えられない顔料を使うことが出来るので、ボーンチャイナは白磁器よりも多くの種類の顔料を使用することができ、華やかな色調の製品を作ることが得意な素材でもあると言えます。
 【 絵付方法の比較
顔料
釉薬
生地
釉薬
顔料
生地
顔料
釉薬
生地
( 上絵付け ) ( 下絵付け ) ( シンクイン )

上絵付け 上絵付けとは釉薬をかけて本焼成(白磁器)または釉焼(ボーンチャイナ)した後の生地に絵をつける技法です。焼成温度は比較的低い(白磁器で800℃ ボーンチャイナで700〜800℃)ので多彩な色を使い、鮮やかで自由な表現が得意です。
反面、釉薬の上に顔料があるため、侵されたり剥がされたりすることがあります。
下絵付け 下絵付けとは素焼きした生地(硬質陶器の場合は締生地)の上に絵付けする技法です。絵付けした上に釉薬をかけて焼成しますので、顔料は全て釉薬の下になり、薬品に侵されたり長期間の使用で絵柄が剥げたりすることがありません。
白磁器の場合、1300〜1450℃と高温で焼成するため、顔料の発色に対する制約が多いというデメリットがあります。
シンクイン 焼き上げた生地の上に絵付けをする点では上絵付けと同じですが、その後の工程で上絵付け・下絵付けとは異なった釉薬を用い釉薬を軟化する温度で焼成(ボーンチャイナでは1000〜1150℃、白磁器で1300℃)し、釉薬の中に顔料を沈み込ませる技法です。
発色の制約がありますが、制約は下絵付け程ではなく、自由な表現が比較的可能です。
ボーンチャイナの特徴 3. 強度について ボーンチャイナは本当に丈夫か?
ボーンチャイナの表面強度
ボーンチャイナは白磁器と比較して低い温度で焼成しシンクインします。それによって鮮やかで艶のある絵柄をつけられ、色・艶が比較的自由になる反面、低い温度でシンクイン化しますので、表面が柔らかく白磁器に比べナイフ・フォークなどの金属食器などで傷つきやすいと言う短所も持っています。
『モースの硬度表』によればダイヤモンドが10、白磁器が6、ボーンチャイナやクリスタルが5、メラミンが3です。
ボーンチャイナの熱に対する強度
わずかな時間の間で200℃前後の温度に達するオーブンの中で食器は急激な温度変化に耐えなければなりません。急熱急冷に絶える温度差を『冷熱温度』と言いますが、150℃の温度変化をクリアできることが『電子レンジ オーブン 対応』とJISで定められています。150℃の温度変化が目安であるのは、日常生活内で起こりえる状況、オーブンから出したばかりの熱い食器を濡れた流し台に置いて割れない温度です。ボーンチャイナも一般の磁器も製造段階では、はるかに高い温度で焼成されていますが、それは長い時間で温度を上げるのであり、『冷熱温度』はあくまでも急激な温度変化に対応できるか否かです。
ボーンチャイナも一般の磁器もJIS規格の上からは『電子レンジ オーブン 対応』ではありませんが、ボーンチャイナは一般の磁器に比べ急激な温度変化に20〜30%弱いことがわかっています。ご家庭でボーンチャイナの食器を電子レンジに入れる場合は食材を暖める程度の範囲でお使い下さい。ただし、金などの金属で加飾された食器は電子レンジでお使いいただくことは出来ません。
ボーンチャイナの渕の強度
ボーンチャイナは一般の磁器より渕の強度が高いことがわかっています。あまり耳にしたことがないと思いますが、チッピング強度と言い食器などの渕の衝撃に対する強度を言います。
しかし、一言でボーンチャイナとか食器と言ってもメーカーによっては生地の厚いボーンチャイナを多く製造しているところもありますし、ノリタケのように一つのメーカーでも生地の厚いボーンチャイナの製品だけでなく、薄手のボーンチャイナをも製造しているメーカーもあります。メーカーや生地の厚さ、それまでに使用していた期間、特定のボーンチャイナの食器と白磁器の食器の厚みなど、そう言った色々な条件を考えてみると、ボーンチャイナと白磁器で日常の生活でのぶつける・落とすなどの衝撃にどの程度の差があるのか、同じ厚さの食器にお同じ衝撃が加わる訳ではなく、現実ではボーンチャイナが丈夫であるとか白磁器、あるいは陶器が丈夫であるとかを考えること自体あまり意味のあることではないのではないかと言う疑問も生じてきます。
ボーンチャイナも白磁器も陶器も割れ物です、どの陶磁器や食器も大切にお使いいただきたいものです。
ボーンチャイナと白磁器の比較
  ボーンチャイナ 白磁器
歴史
1748年 イギリスのトーマス・フライが開発
1799年 スポードがボーンチャイナを完成
1894年 瀬戸窯業学校で試作
1933年 ノリタケが日本初のボーンチャイナを完成
1938年 ノリタケがボーンチャイナの輸出を開始
1950年 ナルミ(鳴海製陶)設立
1965年 ナルミがボーンチャイナの量産を始める
1604年 佐賀県有田で磁器が焼かれる
1708年 ドイツ マイセンで白磁を完成
1904年 ノリタケの前身(日本陶器合名会社)設立
1914年 ノリタケによりディナーセットが輸出される
1919年 大倉陶園設立
原料 長石 硅石 カオリン 蛙目粘土
ボーンアッシュ(リン酸三カルシウム)
長石 硅石 カオリン 蛙目粘土
成形 可塑性が低く、成形に高度な技術を要する 粘土質が多く、陶器ほどではないが、成形しやすい
焼成 焼成温度
  焼締  1250℃    釉焼  1000〜1150℃
  酸化炎で焼成することが多い
焼成温度
  素焼  800℃    本焼成  1300〜1450℃
  還元炎で焼成することが多い
多くは柔らかくクリーミーな白
酸化炎で焼成するとクリーミーに、還元炎で焼成すると真っ白に仕上がる
良質なカオリンにより純白に仕上がる
ボーンチャイナのクリーミーな白さとは異なる
絵付 絵付けした絵柄がシンクインにより釉薬に溶け込み使用可能な顔料が豊富で比較的華やかな絵柄をつけやすい(ボーンチャイナの特徴) 下絵付けの場合、1300〜1450℃と高温で焼成するために、高温に耐える顔料が少なく色の制約が多い
上絵付けは800℃程度で焼成するために、非常に多くの顔料を使用でき、華やかな絵柄を得意とする
釉薬 低い温度で焼成し、色・艶が比較的自由になる反面、低い温度でシンクイン化するので、表面が柔らかく白磁器(特に下絵付)に比べナイフ・フォークなどの金属食器などで傷つきやすい 下絵付けの場合、絵柄が釉薬の下にあるので、ナイフ・フォークなどの摩擦に対し非常に強い
透光性 非常に高い(ボーンチャイナの特徴) 透光性があるが、ボーンチャイナほどではない
ニューボーンチャイナとは
ニューボーンチャイナと言う種類の磁器があります。そのニューボーンチャイナを次世代あるいは何か改良・改善されたボーンチャイナだと思っている方がいらっしゃいます。どうやら『NEW BONECHINA』だと勘違いなさってるようです。
よく似た名前ですから無理もない事と思いますが実はボーンチャイナのボーンBONEが『骨』を意味しているのに対し、ニューボーンチャイナは『NEW BORNCHINA』であり『NEW BORN』は『新しく生まれた』を意味しています。BONEとBORNの違いにご注意下さい。
イギリスで生まれ日本でもノリタケを始め多くのメーカーで生産されているボーンチャイナの風合を独自に作れないかと1961年に現在のマルイ クレイ&セラミックスと言う岐阜県多治見市にある会社により開発されました。
ニューボーンチャイナの特徴はボーンチャイナの風合を独自に作りたいと言う目標で作られましたので当然のこと、柔らかで優しい白さと光沢、さらに透光性に於いてボーンチャイナとよく似ています。しかし、ボーンチャイナに絶対に必要なボーンアッシュ(牛の骨の灰)またはリン酸三カルシウムは含まれず、ボーンチャイナよりやや低い1200℃〜1250℃程度で酸化炎焼成され製造されます。

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